図鑑JOB ATLAS

人事・人材紹介の職種図鑑 — まず地図で、自分の座席を見つける

求職者と向き合うCA、企業と向き合うRA、事業会社の中で人を育てる人事。AIが代替するのは「作業」で、代替されないのは「人を動かす判断」だ。

対象は人材紹介エージェント(CA/RA)と事業会社人事(採用・制度・労務・HRBP等)、および独立系・経営層に近い人事職。年収は当社取扱求人の実勢と厚労省jobtagの職業情報を独自補正した転職想定レンジ(経験・地域で変動)。

9ROLES

主要9職種の図鑑

キャリアアドバイザー(CA)のキャラクターイラスト

CAREER ADVISORキャリアアドバイザー(CA)

400–800万円 目安

求職者の話を聞き、市場価値を翻訳し、決断させる役。日常は面談・書類添削・企業への推薦文作成の反復で、AIが草案を書ける領域と、本人が言語化できていない不安を拾う領域がはっきり分かれてきている。

入り方
未経験可の求人が多く、営業・接客・教育業からの転身が目立つ。最初の半年は面談数をこなして型を作る期間。
市場感
面接で必ず聞かれるのは「面談から内定までの成約率」と「担当求職者の推薦後歩留まり」の数字。感覚論では評価されない。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 初回面談60-90分で経歴・希望・市場価値のギャップを聞き出す
  • 求人票と本人の経歴を突き合わせて推薦企業を数社に絞る
  • 書類添削・面接対策・年収交渉の同席を担当求職者ごとに並走
  • AIで職務経歴書の草案やスカウト文面を下書きし、面談で個別調整する

面接で評価される経験

  • 面談から内定・入社までの成約率を自分の数字として語れるか
  • 求職者の希望を鵜呑みにせず市場価値とのズレを指摘した具体例

向いている人

人の話を最後まで聞いた上で、耳の痛いことも言い切れる人。

次の一歩 RAへの職種転換業務委託CAとして独立事業会社の採用担当へ
リクルーティングアドバイザー(RA)のキャラクターイラスト

RECRUITING ADVISORリクルーティングアドバイザー(RA)

450–900万円 目安

企業側の窓口として求人票の裏側を聞き出し、CAに橋渡す役。日常は人事担当者との定例・求人要件のすり合わせ・書類推薦のリード管理が中心で、企業の本音(実は前任者がすぐ辞めた等)を引き出せるかで成果が変わる。

入り方
営業経験者の採用が多い。人材紹介未経験でも法人営業出身なら即戦力扱いされやすい。
市場感
面接で問われるのは「新規開拓」か「既存深耕」どちらの実績か。新規は営業力、深耕は関係構築力が問われ評価軸が違う。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 取引企業の人事担当者と定例MTGで採用状況・求人要件をヒアリング
  • 求人票を実態に近づけて書き直し、社内CAへ展開する
  • 書類推薦後の企業側フィードバックを回収しCAに戻す
  • 新規企業開拓ではテレアポ・商談・提案書作成も担当

面接で評価される経験

  • 取引継続率・アップセル(求人単価や紹介手数料率の向上)の実績
  • 企業の採用要件を「本音」まで引き出した具体的なエピソード

向いている人

利害が対立する相手(企業とCA)の間に立って板挟みを苦にしない人。

次の一歩 事業会社の採用担当へマネージャー・部門責任者独立系RAとして業務委託
採用担当(事業会社)のキャラクターイラスト

IN-HOUSE RECRUITER採用担当(事業会社)

400–850万円 目安

自社の欠員と将来の組織図を埋める役。日常はエージェント対応・母集団形成・面接調整の連続で、AIがスカウト文面や日程調整を巻き取る分、現場面接官との調整と口説き落としの時間が相対的に増えている。

入り方
人材紹介からの転職が最多ルート。エージェント側の実務を知っている前提で即戦力扱いされる。
市場感
面接で必ず聞かれるのは「何名採用して何名定着したか」の数字。母集団形成の手数より定着までの責任範囲が問われる。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • エージェント複数社との求人内容すり合わせ・進捗管理
  • 自社スカウト媒体でのスカウト文面作成・送信(AI下書き+個別調整)
  • 現場マネージャーと面接官トレーニング・評価基準のすり合わせ
  • 内定者フォロー・オファー面談・入社後のオンボーディング初期対応

面接で評価される経験

  • 採用計画に対する充足率と、入社後半年時点の定着率
  • エージェント任せにせず自社で母集団を作った経験の有無

向いている人

現場の要求と候補者の希望のズレを、粘って埋められる人。

次の一歩 採用チームのマネージャーHRBPへ人事企画への異動
人事企画・制度設計のキャラクターイラスト

HR PLANNING人事企画・制度設計

500–1,000万円 目安

評価制度・等級制度・報酬制度を設計し、経営と現場の板挟みで着地点を作る役。日常は制度案の作成・労使協議・現場説明会で、正解のない配分を決め切る胆力が要る。

入り方
採用や労務など人事の他領域から異動・転職して入るケースが多い。いきなり未経験で就くのは難しい。
市場感
面接で問われるのは「制度を作った」か「制度を運用し切って定着させた」かの差。作っただけで形骸化した経験は評価されない。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 評価・等級・報酬制度の設計案を作成し経営会議に提出
  • 労働組合・従業員代表との協議・説明会の実施
  • 他社事例のベンチマーク調査とAIを使った制度案の壁打ち
  • 制度導入後の現場からの不満・運用エラーの吸い上げと修正

面接で評価される経験

  • 制度を導入してから定着までやり切った経験(1回きりでない)
  • 反対意見のある現場を説得して合意形成した具体例

向いている人

誰かが不利益を感じる決定でも理由を説明し続けられる人。

次の一歩 HRBPへ人事部門責任者組織コンサルタントへ転身
労務担当のキャラクターイラスト

LABOR RELATIONS労務担当

400–800万円 目安

就業規則・勤怠・給与計算の適法性を守り、トラブルの火種を早期に消す役。日常は問い合わせ対応と規程の運用が中心だが、いざハラスメントや解雇トラブルが起きたときに矢面に立つのが本質。

入り方
社労士資格保有者や給与計算経験者が有利。未資格でも勤怠・給与の実務経験があれば入りやすい。
市場感
面接で聞かれるのは「規程を作った経験」より「トラブル対応で何を守り切ったか」。平時の運用力よりも有事対応の判断が評価される。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 勤怠・給与計算のチェックと従業員からの問い合わせ対応
  • 就業規則・36協定などの改定と労基署対応
  • ハラスメント相談・懲戒対応など有事の事実確認と処分検討
  • AIで規程改定のドラフトや過去事例の検索を効率化しつつ最終判断は自分で行う

面接で評価される経験

  • 労基署の是正勧告や訴訟リスクのある案件を実際に収めた経験
  • 感情的に対立する当事者間の事実確認を冷静に進められる具体例

向いている人

板挟みの状況でも法律と就業規則を根拠に淡々と対応できる人。

次の一歩 社労士資格取得で独立人事部門の管理職コンプライアンス部門へ
HRBPのキャラクターイラスト

HR BUSINESS PARTNERHRBP

600–1,200万円 目安

事業部の責任者に張り付き、組織課題を人事施策に翻訳する役。日常は事業部長との1on1・組織サーベイの読み解き・退職リスクの早期把握で、人事の専門性より事業への理解が先に問われる。

入り方
採用・制度設計・現場マネージャー経験を積んだ人事の到達点の一つ。事業部門からの人事へのキャリアチェンジでも就くことがある。
市場感
面接で問われるのは「事業部長にNOと言った経験があるか」。御用聞きで終わらず人事の立場で意見を通した経験が評価される。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 担当事業部の事業部長・マネージャー陣との定例1on1
  • 組織サーベイ・退職率データを見て離職の予兆を拾う
  • 評価会議への参加と昇格・異動案の擦り合わせ
  • 採用計画・組織変更の提案を事業計画に合わせて立案

面接で評価される経験

  • 事業部長の意向と組織にとっての正しさが対立した時にどう動いたか
  • 退職の予兆を掴んで実際に引き止め・配置転換に繋げた具体例

向いている人

事業側の言い分を理解した上で、人事として一歩引かない人。

次の一歩 人事部門責任者・CHRO候補事業部門への異動組織開発コンサルタントへ
HRテック・DX推進のキャラクターイラスト

HR TECH LEADHRテック・DX推進

550–1,100万円 目安

ATS・タレントマネジメントシステム・AIスカウトツールを導入し、人事の現場に根付かせる役。日常はツール選定・現場への導入トレーニング・定着状況の確認で、ツールを入れることより現場が使い続けるかを背負う。

入り方
人事実務経験者がツール導入プロジェクトを担当して専任化するケースが多い。情シス出身で人事分野に来る例もある。
市場感
面接で聞かれるのは「導入した」か「定着させて数字が変わった」か。導入して終わりのプロジェクトは評価されにくい。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • ATS・スカウトAIツールの選定・ベンダーとの要件擦り合わせ
  • 現場人事・採用担当への操作トレーニングとマニュアル整備
  • 導入後の利用率・工数削減効果をデータで追跡
  • AI活用ルール(生成文面のチェック体制等)の社内ガイドライン作成

面接で評価される経験

  • ツール導入後に実際の工数削減や成約率向上を数値で示せる経験
  • 現場が使わなくなったツールを立て直した、または撤退判断をした経験

向いている人

新しいツールを人に説明して使わせるのが苦にならない人。

次の一歩 人事部門のDX責任者HRテック企業のカスタマーサクセスへ転身HRBPへ
独立系エージェント(業務委託)のキャラクターイラスト

INDEPENDENT AGENT独立系エージェント(業務委託)

500–1,500万円 目安

特定業界・職種に絞り、個人の看板で企業と求職者を繋ぐ役。日常は自分の名前で信頼を積む面談と紹介で、成約すれば紹介料が直接収入になる分、稼働が止まれば収入も止まる。

入り方
CA・RAとして数年実績を積んだ後の独立が王道。得意業界の人脈と実績がないと初速が出ない。
市場感
面接(契約面談)で問われるのは「どの業界・職種で紹介実績があるか」の専門性の深さ。何でも屋は選ばれにくい。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 特定業界・職種に絞った求職者面談と企業への個別提案
  • AIでの求人票分析・スカウト文面作成を自分の業務効率化に活用
  • 確定申告・契約書管理など個人事業主としてのバックオフィス業務
  • 紹介会社(プラットフォーム)や複数の取引先企業との契約管理

面接で評価される経験

  • 会社員時代からの継続実績(紹介した候補者・企業とのつながり)
  • 特定分野での成約率や単価が同業他社より高いと言える根拠

向いている人

会社の看板なしで自分の名前だけで信用を作れる人。

次の一歩 紹介実績を元に法人化特化型エージェンシーの設立会社員CA・RAへ戻る
人事責任者・CHRO候補のキャラクターイラスト

HEAD OF HR人事責任者・CHRO候補

800–1,800万円 目安

人事機能全体の予算と方針を握り、経営会議で人の課題を数字で語る役。日常は経営会議・組織設計の最終判断・人事部門メンバーのマネジメントで、現場の細かい実務よりも誰をどこに配置するかの決定に時間を使う。

入り方
採用・制度設計・HRBPなど複数領域を経験した人事のキャリアの到達点。事業会社の役員クラスからの転身もある。
市場感
面接で問われるのは「人事施策を経営指標(離職率・生産性・採用コスト)に紐付けて語れるか」。人事の言葉でしか話せないと評価が伸びない。
この職種をもっと深く

仕事の中身

  • 経営会議への出席と人員計画・人件費の意思決定
  • 人事部門(採用・制度・労務・HRBP)全体のマネジメント
  • AI活用方針を含めた人事DXの投資判断
  • M&Aや組織再編時の人事統合・制度すり合わせの陣頭指揮

面接で評価される経験

  • 人事施策の効果を経営指標(離職率・採用コスト・生産性)で示した実績
  • 厳しい人員削減や組織再編を実際にやり切った経験

向いている人

人の人生に関わる決定の責任を、最後まで自分で引き受けられる人。

次の一歩 独立して人事顧問・コンサルタントへ他社CHROへの招聘経営全体を見るCOO・役員へ

この地図の登り方 — 王道は3本

事業会社で人事を極める王道採用担当(事業会社)HRBP人事責任者・CHRO候補
制度・仕組みで支える王道労務担当人事企画・制度設計HRテック・DX推進

CA・RAで数字を作った経験は、事業会社の採用担当でもそのまま通用する。次に迷うのは「制度・労務で守る側に回るか」「HRBPで事業に食い込むか」で、ここは向き不向きがはっきり分かれる。AIが代替するのは面談の下書きと書類の一次選別までで、人を口説く・決め切る・矢面に立つ判断は最後まで人に残る。

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